🔰初心者ハイカーさんのためのスノーハイクとは?|登山&ハイキングサークル

 スノーハイク&スノーシューって何んですか?

<グレードSP>

🔰初心者の為のスノーハイク~四季の中で最も美しい白銀の世界

八方尾根からの白馬三山~唐松ルート


<スノーシューハイクとは?>

当サークルは四季折々のツアーイベントを開催しております。春は寒さの中に暖かさを感じ、夏は暑さの中に涼しさを体験出来るクールインプレ(水辺の天然クーラーの世界)、秋は春から芽生えた木々が終焉を迎え野山を鮮やかに染めて行きます。そして、秋山のフィナーレを迎えると多くのハイカーは山から遠のいて行きます。

今回は秋の終焉を向かえた後に、自然界の四季折々の中で最も美しい『冬山のスノーシューハイキング』についてご紹介します。雪山というととても危ないのでは?怖い?という印象をお持ちの方も多いかと思われますが、当サークルが扱うスノーハイクは🔰初心者ハイカーさん向けのものとなります。コースは整備がされていて歩きやすいのが特徴です。

<対象> 雪山歩きをやったことのない方や積雪期の初心者の方

今回ご紹介させて頂きますのは、過去に当サークルでも冬山では12本歯アイゼンやピッケルや確保技術的なことを扱ったことはありますが、(ご希望の方がいらっしゃいましたら別途イベントで扱います。)初心者であっても比較的アプローチがし易いスノーシューもしくはスノーハイクについてご紹介させて頂きます。

蔵王にて

1.スノーシューを履くのはなぜ?

スノーシューとは文字通り、雪(snow)+ 靴(shoe)が由来です。元々スノーシューは欧米系で生まれたもので、国内ですと『カンジキもしくはワカン』と呼ばれております。普段登山靴を履くのに、どうしてこのような特別な装備を装置しないといけないの?と素朴に疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

MSRのスノーシュー

高地エリアでは11月から5月頃では雪が降ることが多く、豪雪地帯では一晩で数メートル単位もの雪が降ることもあります。冬期は冷たい寒気がシベリア付近から日本列島に近づき雪を降らせます。空から降って来て雪は地上に積り『層』を作っていきます。この雪は小さな粒(六角形の結晶)で出来ていて雪自体には凹凸感があります。

六角形の雪の結晶

雪の粒と粒の間には『多くの空気が含まれている』ので実質的な雪の分量(圧縮されていない)よりも高く積もります。そこを普通の登山靴のまま雪の上を歩くと靴の裏底に負荷(体重や荷物の重さ)と歩行時の体重移動をした時に雪への『衝撃荷重』がかかるので埋もれてしまいます。

何回も降った雪の層は沢山の空気を含んでいる

スノーシューで歩いた跡・・・カワイクハートで書いてくれました❤

スノーシューを履くと通常の履いていない時と比べると約5~6倍の着地面積になります。空気を沢山含んでいる雪の上を歩いた時に、着地時の衝撃が緩和されて、かつ雪が外に逃げて行き分散(靴底から雪が外に逃げる)されるので埋もれにくくなります。これがスノーシューを履く最大のメリットです。

スノーシューは、特別な技術は必要なく、無積雪期のハイキングが出来る方であれば何方でも雪の上を軽々と歩くことが出来ます。(毎回初心者の方がいらっしゃるので、歩き方や装備に関してはイベントへのご参加の際にはご説明をさせて頂きます。)

MSRのスノーシュー

*スノーシューは現地にてレンタルすることが可能ですので購入の必要はございません。

2.軽アイゼンの歩行(スノーハイク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝の下のコースは凍ってるので軽アイゼンが必要です♪

雪上歩きはスノーシューだけではありません。フカフカな雪は、人が沢山歩くと雪と雪の中の結合され氷と変わります。また日陰などは中々雪が溶けないために氷の上は滑り易くなります。アイゼンを履くことにより尖った歯が氷に刺さることによりグリップ力が増します。グレードSPイベントにて当サークルが扱っているのは6本歯の軽アイゼンです。

踵に合わせて、二つのゴムバンドで縛るだけなので脱着が簡単です♪

<オススメの軽アイゼン>
女性用のアイゼン<22~24.5cm>男性用のアイゼン<25~28cm>


3.スノーハイキング時の気温

スノーシューは基本的に高地で積雪期ということもあり、気温はマイナスの世界です。場所にもよりますが、想定気温としてはマイナス10度位の準備が必要となります。上高地は標高が約1500Mあるためにアプローチはし易いですが、しっかりとした防寒対策は必要となります。

月別最高気温最低気温
1月-2 ℃-8 ℃
2月-1° ℃-7° ℃
3月   4  ℃-3° ℃

*上高地(1500M)の冬季の気温

上高地より

月別最高気温最低気温
1月-9.1  ℃-15.7 ℃
2月-8.8     ℃-17.2   ℃
3月-4.8     ℃ -6.2     ℃
*志賀高原~横手山(2307M)の冬季の気温

志賀高原 横手山

3-1スノーハイクのためのウェアリング

静止をした状態ですと寒いですが、トレッキングは動きますます。外気温は寒くても、動くことにより発熱をします。多量の汗は低体温症に繋がります(低体温症の要因:①外気温②風速③濡れ)重ね着が必要です。快適なスノーシューハイキングをするために必要な服装は以下の通りとなります。


<上部>

①ベースレイヤー:身体に触れるもので速乾性のある登山用化繊(Tシャツや下着類や) ②ミッドレイヤー:フリース ③アウターレイヤー:雨具

 

 

 

 

 

 

 

Tシャツ、長袖、フリース(夏用ではなく厚手のもの)、ダウン(タウンユースではなくて、フィルパワー800位のものがオススメ)、グローブ(2層の手袋 スキー用でも可)、雨具の上、ニット帽、サングラスもしくはゴーグル

*衣類など身に着けるものは全て『化繊系もしくはウール系』にて必ず揃えて下さい。シャツや靴下や下着類などは綿製品を必ず避けて下さい。速乾性がないために発汗により身体を冷やす原因となります。

スノーハイクの手袋の種類

グローブは、2層のモノがオススメです。冬季の手袋のアウターは保温性を重んじためにゴワゴワとしていて厚いです。そのために操作性が低下してしまいます。例えば、スノーシューやアイゼンを履く時は必ず寒冷地になります。手袋を付けずに直接素手でやることはオススメしません。手は末端にあるために温かくなのるのには時間が掛かるのです。それを防ぐために操作性が上がるインナー手袋で身支度をすると手は寒くなりません。

<下部>

登山靴(夏のアルプス登山用もしくは残雪期用がオススメです。)ウール系の靴下、保温タイツ(スポーツタイツのCWX系は保温性があまりありません)、厚手の長ズボン、冬用のパンツ、雨具のパンツ、登山用のロングスパッツ

行動中のスノーシューハイキングの全身の服装

 

 

 

 

 

 

*当ツアーにてはスノーシュー&ストックのレンタルが可能です。
*歩行時と休憩時では身に付ける衣類は異なるので現地でウェアリング調整をします。
*衣類としては最低限で夏山用のアルプスに行くものが必要です。
*リュックサック30L(スノーシューに必要のないものは車においておけます)

よくあるご質問なのですがスキーやスノボのウェアでも大丈夫ですか?と言われますが設計が異なります。バックカントリーなどのウェアは登ることも想定して設計をしておりますが、基本的にスキーやスノボは下り基調なので登山ほど発汗をしません。また重ね着などして、暑い時には脱いで、寒い時には着るなどの細やかなウェアリング調整が出来ませんのでお勧めしておりません。

4.どんなコースを歩くの?

このスノーシューを履いてハイキングをするのに適しているのは、あまり傾斜がないコースです。(登山道のような傾斜があったりと狭い箇所は歩きにくいのであまり向いておりません)傾斜は平均10度位の場所を歩くことが多いです。(登山道は平均20度位です。)

また景観としては、裾野や森の中を歩いて峰々を眺める『裾野型コース』とロープウェイなどで上まで行き『眺望コース』の二つに分かれます。いずれもタイプは異なりますが、雪山を満喫する上では山の醍醐味を存分に体験出来ます。

過去にインプレッシブで開催をしたコースは以下の通りです。

4-1 裾野コース

立山(室堂)、上高地、乗鞍高原、戸隠高原、北八ヶ岳(五辻)、谷川岳(一ノ倉沢)戦場ヶ原、栂池高原など

上高地からのスノーシュー

上高地~大正池にて

4-2 展望コース

蔵王、草津、黒斑山、横手山、白馬八方尾根、北横岳、大日ヶ岳、美ヶ原、霧ヶ峰、西穂高~丸山など

谷川岳より

5.雪が作り出す造形

5-1樹氷

蔵王のモンスター樹氷

およそ氷点下5度以下に冷却した水蒸気や過冷却の水滴が、樹木などに吹きつけられ凍結してできた氷。気泡を多く含むため白色不透明で、もろい。樹氷(じゅひょう)は、大気中の水蒸気が樹木や植物の表面に直接昇華するのを樹霜、樹霜を含め過冷却な雲粒が付着して凍結した場合の総称は、樹氷といいます。樹氷は蔵王や八甲田が有名ですが、樹木が完全に覆われて「スノーモンスター」「アイスモンスター」「雪の坊」などと呼ばれる事があります。

5-2 霧氷

霧氷(むひょう)は、過冷却された霧粒が風で木などに吹き付けられ、その刺激で氷となって付いたものです。木に白い花が咲いたように見えます。

霧ケ峰にて

5-3 風紋

ノルウェー語の「波(=skovla)」が語源と言われ、風が強く吹く雪山などで形成される波状の雪のかたまりを意味します。 日本の山用語では「雪紋(せつもん)」とか「風紋(ふうもん)」、「風雪紋(ふうせつもん)」などとも言われるようですが、文字通り「風が作り出す雪の紋様」とも言えます。

草津の風紋

 

6.白銀の世界へようこそ

夕日を浴びる奥大日岳

過去に当サークルのツアーイベントを通して、数多くの方とスノーシューハイキングや雪山登山に行きました。ご参加をして下さった方に後日、四季の中で最も好きな季節は?とお聞きしました。雪山に行く前は殆どの方が秋山とおっしゃっておりました。しかしながら、その後に、一度スノーハイクをされた方は皆口を揃えて雪山が最も素晴らしい季節とおっしゃってました。

何故ならば、雪山には他の季節とは異なる表情があるからではないでしょうか。白い雪と青い空や朝焼けや夕焼けなど、爽快感な世界がそこにはあり、自然により創り出された『神秘的な結晶』に皆さんは感動されたからではないでしょうか。

今回はビギナーさんが行くスノーシューハイキングということでご紹介をさせて頂きました。新雪を歩くのは心が浄化されるような感じがしてとても清々しいです。常日頃来て頂いているリピーターの方は勿論のこと、雪山初心者の方のご参加も大歓迎を致します。もしご都合が宜しいようであれば、是非とも一度、白銀世界へ行きましょう。皆様とお会い出来るのを楽しみにしております。

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