登山やハイキング後の至福の温泉:インプレ式

当団体のイベントは下山後には必ず温泉に行きます。これまでに様々な温泉に浸かりましたが、やはり登山後の温泉は格別です。今回は当サークル活動のひとつでもある下山後に温泉に入るとどのような効能があるのかをご紹介します。登山エリアの近隣には温泉地が必ずと言って良い程あります。山と温泉には関連性が高く種類も豊富です。下山後の至福のひと時を楽しんでもらう為に今回は温泉についてご紹介をします。

<目次>

  1. 温泉の種類とは?

  2. アルカリ性と酸性の泉質の違いとは?

  3. 浮力・水圧・温度による効果

  4. 転地効果

  5. まとめ

1.温泉の種類とは?

日本には14000座の山があり、国内の源泉の数は27000箇所もある温泉大国です。日本の温泉は大きく分けて火山性のものと非火山性のものに分かれております。

1)火山性温泉

地表に降った雨や雪が年月を隔てしみ込み地下水となります。数キロから10数キロの部分に溜まった地下水が、マグマ溜りの高温(800℃から1200℃)により温められるのが火山性温泉です。地下水はいくつかの断層を経由することで様々な成分を吸収して泉質を形成します。
火山性温泉のメカニズムのチャート火山性温泉のモデル図:岐阜温泉協会さん

2)非火山性温泉(浸水地下水型)

雨や雪が降りそれが地下に染みこみます。その地下水が断層の摩擦熱にて水温を上げます。地下は暖かく100Mごとに水温は3℃上がります。例えば、地上の1000Mまで掘削をすると30℃なります。もし地上の気温が20℃であれば、泉質の温度は50℃ということになります。

非火山性温泉のモデル図非火山性温泉のモデル図:岐阜温泉協会さん

3)非火山性温泉(化石海水型)

主に沿岸部エリアで多く見られる温泉です。海の温泉は塩辛いと思った方もいるでしょう。それは太古の地殻変動が関係してます。長きに渡り、海水が地中に閉じこめられて化石海水となります。それが断層の摩擦熱に温められることにより温泉となるのです。化石海水は自噴したり、ボーリングで汲み上げたりすることで、温泉として利用されます。

<豆知識>
温泉法では泉質が25℃以上のものと定められております。たとえ25℃以下であっても特定の湯質成分の塩素・硫化水素・炭酸ガス・鉄分など特定された19種類の成分が満たされれば温泉として扱われます。また鉱泉とは温泉と同様に湧き水であっても、水質温度が25度以下で特定する19の成分が達していない場合に当てはめられます。

2.アルカリ性と酸性の泉質の違いとは?

温泉の泉質は大きく分けて二つあります。アルカリ性はお肌にとても優しい作用があります。皮膚を溶かして柔らかくさせて、汚れや古い角質などをクレンジングしてくれますので『美容効果』が高いのが特徴です。それに対して酸性は、浸透圧が高く皮膚に刺激を与えることにより『自然治癒力』の効能があるのが特徴です。

アルカリ性(クレンジング力)と酸性(自然治癒力)のph値による比較図アルカリ性と酸性のphの比較表

上記の図表はアルカリ性はph値が上がるにつれて、お肌の古い角質を取り除いてくれます(他の主な効能は怪我や疲労など)。酸性はph値が下がるにつれて、殺菌作用が高くなり病気などに効力を発揮して自然治癒力が上がるのが特徴です。詳しい泉質の違いや効能などは⇒<参照:泉質10種類と効能>

3.浮力・水圧・温度による効果

お湯に身体を浸すことにより物理的な作用があります。水中には空中とは異なる世界があります。

1)浮力

水は中のものを持ち上げようとする性質があります。温泉に入ると湯船で感じる体重は約9分の1になります。例えば体重が50キロの方であれば、温泉の中では約5,5キロになります。湯船で浮いている時間が長いと筋肉の緊張をほぐしてくれます。

2)水圧

温泉に入ると水圧が全身にかかります。水圧は血管を収縮するので血液が心臓に向かって押し上げられます。そして下半身の血行やリンパ液への循環が活発化をしますのでマッサージ効果が高いのです。湯船に使っている時に私たちに掛っている水圧は、何と500キロから1トンものあるのです。

3)温度

温泉は身体を温めてくれます。暖かい湯船に入ると血行が良くなります。ぬるめの温度(37度から40度)は、副交感神経が優位になり『リラックス効果』があり気を静めてくれるのです。また熱めの温度(42度以上)は交感神経が優位になり『心と身体を目覚めさせる』の効果があります。

4.転地効果

温泉街は避暑地であることが多く、日常とは異なる場所に行き環境を変えることを『転地効果』と言います。この転地効果は温泉に入るだけでなく、登山やハイキングなどを体験したり、現地で美味しいものを食べたり、綺麗なお花や景色を見たりすると、非日常の世界を触れることによりストレスから解放されます。このように温泉に入るということは『身体と心にもたらす効果』があるのです。

裏磐梯のニッコウキスゲ

5.まとめ

国内には大きく分けて三つの温泉がありますが、勿論当サークルも全てのジャンルの温泉に長年行っております。地域ごとに様々な温泉があり、地域性がとてもあります。下山後の温泉にゆっくりと入る瞬間は『あぁ~』となり笑、限られた時間ですが浸っている時は至福のひとと時ですね。ご遠方からのご参加の方も多いですが、お時間の許す範囲内で温泉にもお付き合い下さいますと幸いです。これからもインプレは温泉と登山をコラボさせて貴重な一日を満喫したいですね。

TOP