日帰りハイキングとアルプス登山の服装選びの前に知っておいて欲しいこと
第二章:🔰初心者ハイカーが山の『服装』選びをする前に大切なのポイントは?
PS:知らずに買うと2度買いをすることになりますので、未経験者の方はご参考にして下さい。
<気温差が服装の差となる?>
1.序章 初心者の山の服装:アルプス登山と日帰りハイキング
これから始めようとする初心者ハイカーさんにとって最も難しいのは『山の服装選び』ではないでしょうか。今までにハイキングをしたことのない方にはどのような服装で山に行けば良いのかが分からないという方はとても多いです。今回は初心者の方が比較的アプローチがし易い日帰りハイキング(=低山)からステップアップにてアルプス登山をご計画をされている方に対して、三つのエリアの比較をします。
①東京駅 |
---|
②筑波山 |
③富士山 |
上記の『気温差』を比較してご紹介をします。これを始めに理解をして頂かないと山の服装や装備に対して二度買い・三度買いになることがありますのでご注意下さい。
2.東京都内と筑波山と富士山の気温
服装選びをする上で注目をして頂きたいのは『標高』です。下界と比べると高地にある為に、『気温差の幅』があります。まずは東京都内と筑波山山頂と富士山山頂の三ヶ所の月別の平均気温を比べてみましょう。
1) 東京都内の気温
東京都内の最高気温と最低気温を気象庁のデータベースを元に月別に平均化したものを図表にしました。
最高気温:30.8℃(8月)
最低気温:0.9℃(1月)
年間平均気温:15.4℃
2018年度のデータを算出しましたが、ほぼ毎日夏場は30度を超え、最低気温は0.9℃を計測しました。
2)筑波山山頂の気温
筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所のデータを元に標高877Mの筑波山山頂の気温を月別に平均化をしたものを図表にしました。
最高気温:25℃(8月)
最低気温:-4℃(1月)
年間平均気温:10.7℃
夏場でも30℃を超えることもなく、1月には-4℃となりました。
<日帰り初心者ハイキング:グレードCD>
3)富士山山頂の気温
最高気温:9.3℃(8月)
最低気温:-21.7℃(1月)
年間平均気温:-6.2℃
夏場でも10℃を超えることはなく、厳冬期の1月は-21.7℃を計測。(*北アルプスや南アルプスなどの主峰は富士山よりも標高が低いですが、緯度が北上するので気温に対しての類似性が高いです。)
3東京と筑波山と富士山の通年の気温差
東京都内と筑波山と富士山の平均気温(年と月別)が分かったので今度は気温差について考察します。
東京と筑波山山頂と富士山山頂と年間平均気温を算出して気温差を出すと・・・
1)東京都内と筑波山
15.4℃(東京都内) - 10.7℃(筑波山山頂)= 4.7℃差(標高差:800M)
2)東京都内と富士山
15.4℃(東京都内) - (―)6.2℃(富士山山頂)= 21.4℃差(標高差:3700M)
以上の比較にて、下界と比べて山の気温にはかなりの幅があることをご理解頂けたのではないでしょうか。
気温が下がる主な原因は標高が100M上がるに連れて、気温は0.6℃下がります。細かい計算方法や標高と気温に対しての概念は幾つかあるのですが、基本的なメカニズムに対して詳しく知りたい方は<参照:山の気温が下がるのはなぜ?>をご覧下さいませ。
4.山の服装選びをする前に大切なこと
『山の服装』の選択に必要なことは・・・
前置きが些か長くなりましたが、目標設定をしている『山の気温』が分からないとどのような服装を身に着ければ良いのかが分かりません。
行きたい山はどの季節なのか? |
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どの位の気温差があるのか? |
適切な服装の選択 |
上記のことを事前に理解するのは『山の服装選び』ではとても大切なことです。
山は誰に対しても平等に受け入れてくれますが、実はそこには『山のドレスコード』があります。目的の山に行くのであれば、現地の状況=気温などの自然環境を事前に知り、安全登山のためにも準備をすることが大切なのです。
初心者の方が服装を選ぶうえで、日帰りハイキングとアルプス登山のスタイルは『標高差に基づく気温差』により異なります。現地の自然環境を把握したうえで適切なウェアリングにて安全登山に備えて下さいませ。次の章では日帰りハイキングとアルプス登山に必要な服装の選択術をみなさんと一緒にマスターしましょう。
【第三章】
🔰初心者ハイカーさん必見|服装の選択術:日帰りハイキング編
【第四章】
🔰初心者ハイカーさん必見|アルプスハイカーさんの為の服装の選択術